八重山毎日新聞社コラム
島時間がゆったりと流れている。久しぶりの感覚です。「やって来たか」・・・・・・。
【掲載:2023/10/26(木曜日)】
やいま千思万想(第249回)
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
まだまだ心配なところはあるけれど「島」に行って良かった!
日が落ちてからの「南ぬ島石垣空港」。
「ここにオスプレイが下りたのか」新しいニュースが頭をよぎる。
街に向かって車を走らせる。
一本道の両側、車のライトに照らされて真っ直ぐの光のラインが美しい。
ほぼ3年振りの石垣島。
島の空気は意気の熱さを持っているのか、ただ揺蕩(たゆた)っているだけの生ぬるい空気なのか。
とにかく静かに島だけの時間が流れている。島には18日に入って、21日に発つ。短い期間だがやっと石垣に来ることができた。
本土から注視してきた。心配だ。観光で成り立つ島。
いつの間にか(ではなく水面下で押し進められていたのでしょう)自衛隊の駐屯地(基地)は配備された。
これでお隣の大国に備え、北海道から先島までの大きな日本列島弓形の防衛線が整った。ハッキリ言っておきたいです。
個人的には「自衛隊員」は好きです。友達もいて、その人柄も仕事もとても立派で、尊敬すら感じる。
しかし、武器を持っている組織。それが集団化し「隊」となると、歴史に学んで怖い。
特に今の日本では大事な事は知らされずに進む。水面下で計画がなされ、一気に、ある日突然に実行する国となった。
情報が、いつでも、どこでも開示され得ない国となってしまった。
世界情勢も厳しい。その解決策は摸索するも巧くいってはいない。
だからこそ、「外交」によって人間の叡知を結集して「難しいけれど対話を積み重ねて」未来への平和を図るべき、と私は信じる。
懐疑心と野心の争いからは何も良い事は起こらない。
駐屯地の拡張化が進んでいますね。
一見、鎭かな風景に佇んでいるかのようですが、何処からか鋭い視線を感じるのは私の思い過ごしでしょうか。
以前にはなかった空気感です。施設内のはためく日本国旗とその横に並んでいる旗が気になります。
とにかく島人は「暢気で気の良い人たち」、それが良いところでもあり、心配なんです。
沖縄の血を持つ私にはその気質が解る。
基地建設が進んでいる場所を離れ、市中に戻る。
「コロナ禍」での生活が一応終わったかのような今、どのような街になっているのか。
亡くなった友人の家族に会う、それが今回の目的。
伺う道すがら島の空気を感じたい気持ちが強く湧いてくる。
会って、亡くなった友人の奥さんに聴くと、「観光客は減ってはいないよ」「変わりなく賑わっているよう」と言う。
街を歩いて私が感じるのは外国の家族連れや、カップルが多い。団体観光客は以前に比べて少ないと見る。
今回の滞在期間が短いとはいえ、会いたい友人と過ごせたことは本当に嬉しい!
島に来るといつでも立ち寄るミンサー織の店には私が住む街の高校が訪れているよう。ちょっと嬉しい。
今回、島を離れる間際に訪れた八重山そば「まつむとぅ家」に圧倒。
店主の平田和子さん、良いですね。これこそ「しまんちゅ」。
「しまくとぅば」と、頂いた見事な細工「竹とんぼ」、「島の香り」に浸りきりました。
「来て良かった!」