八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.265


【掲載:2024/06/20(木曜日)】

やいま千思万想(第265回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

「誕生日」そして〔AI〕の時代

 この原稿が掲載されるのが20日(木)ならば、嬉しいことに(笑)私、當間の誕生日です。
75歳になりました。
本当に長く生きてしまいましたね。60歳以後は考えてはいませんでした。
誕生日の事を少し書いて良いですか。私、40歳で初めて「誕生日」を祝いました。
それまで誕生日が嫌いで、素直に喜べたことがありません。いつもスルーしてました。
それが40歳にして祝おうと思ったのです。
創ろうとした団体が集まってくれた人たちによって出来上がり、その活発な活動に評価を頂けたという感謝の気持ちが強くなったからです。
私の誕生日は「皆(メンバーたち)」との「感謝デー」です。それから毎年祝いました。
その時々の事が一年単位で更新されていきます。団の対外的評価、メンバーの動向、私自身の変化。
それらを振り返り、そして現状を知ることのできる日となりました。毎年、楽しかったです。

 しかし60歳を境に、皆に宣言します。もう「誕生日を祝う事」をしません、と。
盛んなコンサート、海外公演、などが続いていたのですが、肉体の衰えを感じていたのでしょうか、
精神的な衰弱も感じ始めていたのでしょうか。
それは日本の世相に自然に体が反応していたのだと、今では思えます。
どんどんと〈人間〉が喜劇的に衰えていく。グローバルな連鎖として劣化していく。
【人工知能】〔AI〔(artificial intelligence) 〕というものがあります。
推論・判断などの知的な機能を人工的に実現。最近では良く聴く言葉です。
多くの場合、コンピューター用語として用いられる。
知識を蓄積する〔データベース〕、集めた知識から結論をひきだす〔推論部〕が不可欠。
データを自動的に構築したり、誤った知識を訂正したりする学習機能を持ったものがある。と、解説されます。

 今や〔AI〕を抜きにしては物事を語れなくなっています。
しかし、犯罪にも使われていて驚きと同時に脅威です。
実はあまり知られていないかもしれませんが戦争にも使われていて、人が直接関与せず、遠くから操縦して人間を襲い殺す。
人間って本当に人殺しが好きなんですね。これってゲーム感覚ですよね。
他人事で無く、身近にその兵器があり、操縦する施設(部隊)があるもの、として考えなければいけない時代になってしまった、
ということでもあります。
どこまでも知的好奇心を追い、研究し、論理や機械を創る人類。
これ、学者の仕事。その成果をチャッカリ頂いて、戦争へと、つまり殺人兵器として、
あるいはその目的のその先まで〔殺人兵器作り〕を考えている戦争好きな人類。
もう、これは子どもの遊びのように無邪気で、しかし一番恐ろしい大人の姿です。
子どものような大人。大人の顔(様相)をしているが実は中身は子ども。
日本の戦後、一番良い時代を私は生きてきました。
終戦(敗戦)から80年。
いまだに歴史に学ぶことの出来ない人たちが居て勢いづいている。
今日は私の誕生日、これからも生き抜いて行きます。





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