八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.267


【掲載:2024/07/18(木曜日)】

やいま千思万想(第267回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

人が叫ぶ主張なんて「入れ子」ロシアの「マトリョーシカ人形」のようなものです

 いつの世も「主張」の対立が起こります。根元を言えば、欲の対立です。
それぞれに理屈を言いますが、結局はそれぞれに自身の満足、欲を満たすこと。
主張を聴くのは「主張を聞いてくれる人」です。
こういった場合、誰がどのように聞くかで伝わり方が異なってきます。
同じ主張ならば安心を。主張が異なれば不安となります。聴き手は固唾を呑んで聴くことでしょう。
しかし、ここでいったん留まらなくてはなりません。
主張していることを本当に理解しているか? 正しく聞くことができているか?
よくありますよね、「そんな風には受けとれなかった」ということが。
言っている方が拙いのか、聴き手が拙いのか。

 主張が正しいか否かは置いておきましょう。
聴いているだけの段階ではまだ判断できません。
そう簡単に素人には結論を得ることが出来ないからです。
ですから、専門家の意見を必要とします。
で、これがまた専門家の主張が異なることが多いのですね。
箱を開ければ箱が有り、それを開ければまた箱がある、というあの「入れ子」、
いま流行のロシアの「マトリョーシカ箱(人形)」のようなものです。
そして最後には何も入っていない、という落ち。
主張なんてそんなものかもしれないです。
受け取った者、聴いた者が価値を作っていく、
生み出して行くことになる、行かねばならないのですね。
禅問答のような対談、噛み合わない会話、そのインタビューで有名になった御仁がいましたが、
これは聴いた者の、観た者の見識にかかることです。
それについてはもう、誰も横から口出しできません。それが世の価値観です。
敢えて言えば、民主主義でしょう。

 我が国、やはり「ヤバイ」です。これはもう絶望的な段階となった姿です。
と、私は主張しましょう。
沖縄の米兵の犯罪とその措置問題。
もう書くのもしんどくなる国の、隠蔽、虚偽、等々。
せめぎ合い、噛み合わない与党と野党。
経済、それに依っての国力低下。そして身近にあっては「地球温暖化」による災害対策。
「さて〜」これらを是正できるのは我々国民です。
我々国民が創る「我が日本」です。

 SNSがいよいよ重要なツールとなりそうですね。今回の都知事選挙で話題になりました。
若者が信用したのはテレビでもなく、新聞でもなく、ネットであったと。
これは「ヤバイ」です。危険です。現在のネットは。
「短絡的」な、「容易い方法」でなく、
もう少し物事を広く、多層に、俯瞰(ふかん)的に見る眼力が必要です。
そうでなければこの国は沈んでいくばかりです
。 敢えて断定的な言葉で「沈む」との言葉を使いました。私の実感です。
 皆さんお忘れでは無いですよね。あの裏金問題、お仲間人事、脱税。
憲法も法律も「無きがごとく」に振る舞う輩が多すぎます。
これでは不信の連鎖が止まるはずがありません。沈むとは人間の絆の弱さ。
強い国とは何か?ですね。多くの人に沖縄での理不尽さが知られているのでしょうか。
各災害地がいまどうなっているのか追っているのでしょうか。
国の対策は万全と言えるのでしょうか。
経済の動向を真剣に考えていますか。
専門的知識を得ようとしてますか。
全てを学ぼうとしなければなりません。
無知は罪です。





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