八重山毎日新聞社コラム
大阪万博が開幕されました。オープンの日にはメディアが大々的に宣伝です。
【掲載:2025/04/24(木曜日)】
やいま千思万想(第283回)
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
大阪万博は若い世代をも巻き込んで華麗?にオープンです
どの内容も大袈裟で、そのアピールは恥かしくなるほどの過激表現です。
私、各国のパビリオンには大いに興味が有るのですが腰が上がりません。
それは万博にかつての意義を見いだせない、何か引っかかるものを持っているからでしょう。
"X"で興味ある投稿に出会いました。万博でバイトしている18歳の女性、Rさんが熱っぽく発信しています。それが話題になっているらしいです。
≪批判があって残念。とにかく来てください。とても素晴らしい万博での体験です≫と訴えます。
純粋な感想であり、真面目に仕事をする人柄が人気を呼んでいます。
読んでいて私も「けなげな」青年との印象。だからなのかもしれませんがその発信に対する反応に興味を持ちました。
「万博に来て下さい」と呼びかけたバイトのRさん。
しかし、反応はご本人が驚きを隠せないほど反対意見が合ったようです。
それを見て万博肯定の人たちの「万博に反対したり、批判している人たちの意見は聞かない方が良い。
そのまま頑張って働いてください」という類のコメントが続きます。
Rさんは困惑しながらも反対の人に「少しづつ改善しながら時には運営側に掛け合いながら頑張っています。」と真摯な対応。
確かに反対する人たちの文章は感心しない表現があります。汚い言葉もあったのでしょう。
それに対して優しい言葉と励まし。
そして、応援する人たちに背中を押されるかのように「批判的なコメントの方のために投稿してないのでブロックさせていただきました。ごねんなさい。」
との処置を取ります。
この経緯で分かるように投稿し始めた頃のRさん、バランスを保っていたのですがその後、ニュアンスが変化し始めます。
「全ての国が本気でプライドを持って技術を見せに来てるのですごくないわけがないです。」と思いを強めます。
しかしそれでも時には内情を語っています。
「正直(万博の)研修内容があり得ないひどくてこれでいいのかと問い合わせましたが万博は毎回試行錯誤だからと言われ、・・・・・・」
「運営はすごいズブズブです。やばすぎて集団で訴えると言う話が出たくらいです笑」と書いています。
多分これは正直に書いているのでしょう。でなければ書けない文章です。
しかし止まらない批判に「でも研修が最悪だったからなど今更言っても無駄なので全力で万博楽しみながら働きたいと思います!」と書きます。
面白い文章がありました。
「税金」について問われ、「賢くないので税金とかまでは全然考えずに感動してます。」と応えるのですね。
可愛いです。
そして行き着いたところは、『「企画・運営に問題があるか」と「行く価値があるか」はまた別問題』。
ここが彼女の分岐点でしょうか。
論争に巻き込まれた感じです。あまり深く考えられていない真面目な18歳が巻き込まれたと私は思います。
その後どうなったか。
Rさん、過去の投稿を消去です。
万博運営批判が消されています。
この結末、私は少し悲しくなりました。