八重山毎日新聞社コラム
参議院選挙が近づいてくると、テレビは静かになり、お笑いやゲーム、バラエティが勢いづいていると感じます。
【掲載:2025/07/17(木曜日)】
やいま千思万想(第289回)
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
モノの根っこが何であるか?を知ること
その裏で“SNS”が盛り上がっている。
“SNS”が選挙で話題となったのは先の都議選挙や知事選挙などの成果に依って。
あれ程の騒がれ方をしたというのに、選挙の情報はまだ“SNS”で得る人が後を絶たない。「簡単」だから、でしょうか。
しかし情報が簡単に入ってくるということのリスクも考えないと、後で後悔する事が有ると私は思うのです。
でも「簡単」は考えてみれば良いことかもしれませんね。
言い換えましょうか、「容易」(何かをするのに、前からの準備や心の用意、また、労力や時間をたいして必要としない様子)が問題なのですね。
“SNS”は目に留まりやすくするために分かり易い言葉を並べます。
自身に気になっている言葉が何度も現れ、つい飛び付いてしまう。
しかし、「フェイクを流そうとする人」はそこを狙ってくる。確信犯は居るでしょう。
確信的ではなくて(つまり嘘をつこうとしてではなく)拡散してしまう人もいますが、実はこの方々が大きな影響力を持ってしまう。
それが前選挙での結果とみるのですがどうでしょう。
後にそれが検証されていると思います。
その方々が世の流れを変えるほどの力を作り出すことにもなるのですね。
「嘘」と「真実・本当」を見分けるにはどうすれば良いのでしょう。
それは一つだけを信じるのではなく、他の意見を探して、それらの書き込みも見る。そして考える、でしょうか。
結論を言えば、情報の発信源は何処だったか?でしょうね。信じられるところからのものか……?
それが「個人」ならば実名で書いているかどうか。それまでにどのような意見を発しているのか。その根拠も書かれているのか。
それらを探れる手段がある人ならば良いでしょうね。
「組織」「団体」を代表するものならば、書かれている事、動画などは先ず「宣伝」として見れば良いわけですから
「フェイク」なのかどうかは一応省きましょうか。
我が国では「歴史」をおろそかにしている、と私は思うのです。
歴史に学ぶことをしてこなかった。もちろん「歴史に学ぶ」人もいたでしょうが、だんだんと少なくなっていると思いますね。
歴史に学ぶことの中で重要なのは「人権」すなわち「人の命」です。
それが我が国では軽んじられています。記録の隠蔽、書き換えを悪い事だとは思わない。残す側の「都合」がまかり通っている。
これでは誰かが胸を痛め、命すら危ぶまれていても知りようがない。
こんな不安な環境の中に居るんだと、我々は気づくべきですね。
どんどん「根っこ」を探りましょう。「何故」を連発して「根っこ」に辿り着きましょう。「しつこく」追いかけましょう。
「嘘」を見破るために人と語り合い、人の意見を聞きましょう。
モノの根っこは見えにくいです。しかし見つけた根っこは太くてたくましい。
「根」は源(みなもと)。
根は生きようとして、この地球に突き刺さっているのですから。