八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.309


【掲載:2026/06/25 (木曜日)】

やいま千思万想(第309回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  當間修一

【流されないで、振り回されないで、自分をなくさないで】

 大方の人は「AIチャット」を手放すことができなくなっているのではないでしょうか。
便利で、簡単でまさしく人間にとって最良の道具が登場したと言えます。当然ながらあっという間に普及しましたね。全てを信用しないようにと言われながら今では普通に使われています。お話相手にも、ちょっとした調べものも、写真を作ることだってできてしまうのですからこんなに面白いものはありません。最初は使う気も無かった私もいつの間にかその手軽さ故に手を伸ばしています。(しかし、重要項目においては必ず他の方法で再度確かめるようにしていますよ)
あのSNSの発信もAIで作られたもので溢れています。フェイクな事柄も本物以上に作られてしまいます。
やはり無批判に信用してはいけませんね。人間にとって最恐のものになるAI、慎みを持って使いましょうか。
 少し話が逸れるようですが根っこで繋がると思いますから書いてみますね。
新幹線「新大阪駅」構内のカフェでの光景。カウンター席に座っている恰幅の良い女性が勢いよくポテトフライを口に押し入れるかのように食べています。そしてもう一つの手にはスマートフォン。その画面には次々と流れている動画。彼女はそれも貪るように見入っています。トレイには分厚いハンバーガーが残っています。そのバーガーをいつ食べるのか気になってチラチラと見る私。その女性はあっという間にポテトフライを食べきり、勢いよくバーガーにかぶりつきます。そしてその流れ作業の間ずっとスマートフォンから目を離しません。よく口に持って行けるものだと感心しながら見とれてしまいます。
 ふと我に返ります。何を私は見入っているのか。周りを見れば、私やその彼女を気にしている人はいません。無関心です。私の様にただ偶然前に座って気になった人を見ている人間なんて誰もいないのですね。当然かもですね。でもね、なんだかそれって少し寂しく思ってしまうんですね。
 まだその女性が気になる私はそのスマートフォンの画面をちょっとのぞき見します。踊ったり、跳ねたり、ワイドショーのタレントさんらしき人が面白おかしく動き回っています。その画面も終わらないうちに次へと画面が変わっていきます。食べ終わるまで追い続けます。そしてですね、食べ終わるやいなや目にも止まらない速さでバッグを持ち、周りに目を遣る事なく立ち去りました。見事な一連の動作です。きっとその後の働きはエネルギッシュだったことでしょう。
 トランプ、ネタニヤフ、習近平、ゼレンスキー、プーチン、そして高市さんといった人たちに関心あるかなぁ? 偏りなく関心があるかなぁ?
芸能人も政治家にも個人としての「人物」に関心を持つ。偏りなくです。
「人」に対して関心を持つ。これが今薄れつつある。そこにAIが入り込んでくる。人の顔(人物)を見ないで人を知ったかのように思ってしまう。これは危険です。AIと対等に付き合いましょうか。
データ量にはとても叶いませんが「考える能力」は人は負けません。





戻る戻る ホームホーム 次へ次へ