八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.92


【掲載:2017/02/26(日)】

音楽旅歩き 第92回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【「世界地図」から「宇宙地図」へ】

 私の家には幾枚かの「世界地図」が貼ってあります。
もう少し詳しく言うならば、各部屋ごとに世界地図、カレンダー、時計がおいてある中で世界地図が一番よく見えるように貼ってある、といったレイアウトです。
カレンダーと時計はスケジュール管理用です。「今日は何曜日で何日?」なんてしょっちゅう見なければならないほど忘れがちな私。私にとって無くてはならないものなんです。
世界地図は頭の中の世界を広げるため。
物事の見方、価値観を変えるためにこれほど適切なものはありません。
ただ、日本で良く見る地図は日本を中心にして描かれています。
例えばです。中東あたりを中心にしたものを見たならば随分と世界観は変わって見えることでしょう。
もうくどくどと例える必要はないかもしれませんが、もしヨーロッパやアメリカが中心ならばそれも大きく図柄が変わるはずです。
そういう地図を見るならば日本列島は随分と外れた位置にあるはずですよね。
まあ、見る地点によってそれほどに地図の描かれ方は変わってきます。
しかし、そんなことはひとまず横に置いておいて、私は世界地図を見るのが好きです。
見ていれば訪れた国を思い出すこともできますし、地図によっては「世界遺産」や名勝、気候や動植物などが参考に描かれていたりすることもあったりしますから、楽しいことこの上ないです。
 世界地図を見ながら地球の大きさを想像するのもいいですね。
そうすれば、ものの考え方もずうっと遠視的になり、意外な発想が生まれたりします。
近視的な見方をしているなと感じたときなど、世界地図はなかなか良きアイテム、ということになります。
さて、そんな地図好きにとんでもないニュースが飛び込んできて、一気に想像力が活気づきました。

 日本時間23日の午前3時にNASA(アメリカ航空宇宙局)が緊急重大発表とアナウンスして、何と、「地球に似た惑星7つを発見」と発表したのですね。地球以外に「第二の地球」となる存在を示唆したのです。
もしこれが本当に生命を宿す星、惑星であるとするならばこんなにわくわくするホットなニュースは他にありません。
もう、地球は「偶然が重なって出来上がった超孤独な星」ではなく宇宙の中の「生命体仲間」の一つであるかもしれないのです。
ただこの惑星、太陽系の外に存在しているもので、なんと地球から約40光年も遠く離れているということらしい。
確かめようにも今は確かめることのできない存在ということですね。
それにしてもそこまで解ってしまう宇宙科学の進歩は凄い!
もちろん、人間のような生命体がいる、ということではないのですが、「生命を育める可能性がある極めて地球に似ている太陽系外惑星」の確認が発表されたのです。
兎にも角にも、にわかに私の脳内視野が広がったような感覚で、「希望」にも似た喜び、生命の仲間を想像する楽しさをこのニュースが与えてくれたことは確かです。
「世界地図」から「宇宙地図」へと変えてみたいですね





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