八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.118


【掲載:2018/05/13(日)】

音楽旅歩き 第118回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

時には「じゃんけん」をしてみませんか?

 あの「グー・チョキ・パ」ですね。
「大人はもうしないよ」「あれは子どもたちの遊びでしょ」とか言われてしまいそうですが、
私の周りではまれにしてもらうことがあってその不思議さと現実的な決め方に楽しさをいつも体験させていただいています。
(「じゃんけん」は日本で作られ、世界に広がったとも言われる遊びです)
で、その時のやり方なのですが、私の子どもの頃には、突如としてテンポ良く「じゃんけん、ほい、(あいこでしょ!)」で始めました。
もちろん「じゃんけん」は準備で「ほい」で出します。
東京では「ほい」が「ぽん」とも。
石垣では「エスっ!」というとのことですが本当でしょうか?
最近では、「さいしょは、グー、じゃんけん、ほい、(あいこでしょ!)」となっているようですが、
これは音頭を取る「さいしょは、グー」が付けられたのですね。
ちなみに「グー」のところが「パー」になって「さいしょは、パー」と始めることもあります。
しかしどうしてか「さいしょは、チョキ」とは言いませんね。不思議です。
この「じゃんけん」、大阪では「いんじゃん」という人もいます、これ「大阪弁」です。
そしてこれにはなんとメロディーが付くのですね。京都のノリのようなゆったりとゆっくり「うた」いながらの音頭取りです。
また、時には手を組んで空間を作りそこを覗き込んだり、手の甲にしわを作ったりする〝おまじない〟もあります。

 「じゃんけん」で物事を決める。
これ、良いあそび(遊戯)だと思うのですね。
気心の知れた仲間同士の、あるいはある集まりに所属する者同士の軽い決め事ならばこの遊びで決めれば問題は起こりません。
微笑(ほほえ)ましさも感じられていいですよね。
できれば、私など無責任にも国同士の間でも使えば良いのにとさえ思ってしまいます。
まぁ、さすがに国と国との国際的な約束事、決着といった場合にこれを使うわけにはいきませんが・・・・。
よく考えて見ればこの「じゃんけん」、相手の心理を読むゲームの一種とも言えます。
ハマったらもうやめられません。
世界的な規模で大会も開催されていたようですから、世界の人々もハマってしまったのでしょう。
子どもたちばかりではなく大人ももっと積極的に仕掛けてみてはいかがでしょうか、とのお誘いです。
なかなか楽しいですよね。

 もう少し「じゃんけん」の話です。
この遊び、一対一をまず想像するのですが、人数が多くなったらどうするのでしょうか。
まさか〈勝ち抜き戦〉のように一対一を続けるという不合理なやり方はしないですよね。
これは一種不平等と受け取ることもできます。
その場合は「多い勝ち」「少ない勝ち」を用います。
グー・チョキ・パーの多いもの、少ないものを勝者とする方法です。
今回は決め事遊びのお薦めでした。
当人達も、そして周りの人たちもきっと笑顔が一杯になる「じゃんけん」、お薦めです。





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