八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.131


【掲載:2019/1/21(月)】

音楽旅歩き 第131回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

「人間はそれぞれに宇宙を持っている」それはすばらしき事なのですが!

「人間はそれぞれに宇宙を持っている」、それが私の認識、理解の仕方です。
「宇宙」とは少し判りにくいかもしれませんが、「世界」とも、もっとくだけた言い方をすれば「独自の個性」「一人一人のものの感じ方」「ものの考え方」ということでしょうか。
なかなか説明が難しいのですが、「同じ人」はおそらく居ないだろう、ということです。
それでも「皆」は一緒に協働しながら助け合い、また反目し合って生きている。
そんな思いをもちながら昨年から今年へと私の人生をまたぎました。

 日本の昨今の動きは目を見張るばかり。
世界的にみても波乱続きといいましょうか、目まぐるしく状況変化が起こっている、そんな地球上を人工衛星から眺めているような気分です。
地球に生きている人間一人一人には「それぞれの宇宙がある」。そう思いながら見つめる私。
世界情勢を計ることは難しい、ですからそれはちょっと横に置き、それならば自分の周りを見つめてみる。それはできそうです。

 大阪を中心として、京都、名古屋、東京へと周期的に渡り動いています。
それぞれに指導する合唱団があるからなのですが、最近はその移動も昔に比べて楽ではなくなってきました。
移動の手段は鉄道が中心ですが、それを随分と長く感じる様になりました。
沖縄には鉄道は普及していませんからその思いは伝わりにくいかもしれませんが、
車窓の眺めを楽しみながらといった情緒ある旅は昔に比べれば随分となくなりつつある昨今です。
地方へ行けばそれなりに風景を楽しみ、駅弁を楽しみ、ゆったりとのんびりと、〈ゆとり〉の喜びを味わうことができる所もありますが、所詮、それも減りつつあるというのが私の実感です。
いっそ「空の移動」とも思うのですが、あのような重いものが空に浮かび、移動するなどまだまだ不思議に思う私ですから、利用したいなんて思いません。
特にあの搭乗するまえに受ける〈保安検査〉が苦手です。
よく音がなって止められることの多い私。小物の金属もの(コンピュータやインターネット関連)が反応するらしく、
できるだけ受ける前に整理しようとはしているのですが、どれかがこぼれ落ちているってことなんですね。
毎回ドキドキしながらの搭乗は私には鉄道と比べれば敷居が高く、利用しようにも体がなかなか受け入れてはくれません。

 またちょっと話が逸(そ)れてしまいました。
そんな私ですから、移動中は落ち着くといったことが苦手です。
で、そのしばりから逃れるようにして〈思いにふける〉時間が長くなって様々なことを想い、また考えます。
周りの人に目をやります。ことわざに「無くて七癖有って四十八癖(なくてななくせあってしじゅうはっくせ)」というのがあります。
人は本当に沢山の〈くせ〉をもっている。「どうしてそうなるのだろう」なんて見ていると人生そのものも想像してしまい、気が付けば様々な分野における問題の中を駆け巡っています。
今年もまたまた色々有りそうです!  





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