八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.144


【掲載:2019/9/29(日)】

音楽旅歩き 第144回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

季節は〈秋〉、四季折々も変化が激しい?

 年間を通じての大切で大きな演奏会が数日前に終わりました。
それは音楽会の秋のシーズンの始まりでもあります。
演奏会当日、またもや台風襲来と重なりそうになり、去年の悪夢のような事態を思い出させました。
が、大きな被害もなく台風は日本海へと通り過ぎ(九州や四国などは前の台風に続き不安な日を過ごされたようですが)、
全国各地から多くのお客様が京都へと来てくださいました。
作曲者も御来場、ホールでは異彩を放つそれぞれの曲に熱い視線と大きな拍手を頂きました。
演奏者冥利に尽きる一夜となったことに胸を撫で下ろしています。

それにしても最近の気候変動は気が気ではありません。
局地的に雨や雷が集中します。またその強さたるもの、今までに経験したことのない、これまでとは桁違いの勢いです。
沖縄本島や石垣島でも何度か台風に遭遇しましたが、それはそれまで味わったことのない、本土にはなかった〈恐ろしさ〉という経験でした。
その時の感覚がよみがえるような雨風、それが西日本や東日本を襲っています。
なにか大きな地球規模での変動が起こっているのでしょうか。
専門家でも色々と〈気候変動〉と〈温暖化〉の関係について意見が分かれているようですが、
私にはこれまで以上に真剣に地球の環境についての未来を考えて見るべき時期に来ているように感じられます。
仲間と出会った時の挨拶は「今日も穏やかな一日になるようで良かったね!」とか、
「今は良いようだけれど、いつ、何処で何が起こるかしれないね」との会話。
これまでの日常的なたわいのない挨拶として交わされていた天気の話が少し違ったニュアンスになっている、そんな日々が続いています。
雲の湧き上がり方も、突然の雷も、もう怒り狂おうとしているようで怖いです。
「雨男がいるのかな?雨女がいるのかな?」なんて暢気に言っていたことが懐かしく、そんななごやかに談笑していた頃が遠い昔のように思われます。
ちょっとこれは私、神経質になりすぎているのでしょうか?

人間って、緩やかな変化には適応能力は優れていると思うのですが急速な変化には弱いですね。
「備えあれば憂いなし」なのですが、どう備えれば良いのか? 真なる様々な情報が欲しいと思います。
経験者からの貴重な助言があれば、それこそ用意できると思うのですが、予想されている大地震なども含め、
誰もが経験したことのない事態には一体何をどうしてよいのやら、ですね。緊急時の概括(がいかつ)が必要ですね。
あまり「天気予報」など気にならなかった私なのですが、さすがに一日の始まりは一週間分の予報を見るようになりました。
商売や仕事上、天気に左右される方々にとってはそんなことは当たり前なのでしょうが、
私のように家に閉じ籠もりがちの仕事をしている人間にもこれからは「天気予報」はとても大事な事のように思います。
関西は「秋」になりました。
朝夕の涼しさはとても心地良くなってきています。
その一瞬一瞬を深く味わいたいと思う日々です。





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