八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.145


【掲載:2019/10/13(日)】

音楽旅歩き 第145回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

超特大の台風19号、その動きに西・東日本は静かにうごめいています

 今年超特大の猛烈な台風19号が本土のど真ん中(西日本から東日本)を目指し、やって来ようとしている10日(木)にこの原稿を書いています。
接近、または上陸するのは12日(土)から13日(日)にかけてと予想されているのですが、
その12日には私は「東京コレギウム・ムジクム合唱団」の練習予定が入っています。
台風の進路がとても気になっているのですが、今現在の予想では東京行きをあきらめなければならない状況のようです。

 前回のコラムでは〈気候変動〉と〈温暖化〉の関係は?
しかし、そうは思いながらも頻繁には「天気予報」など確認することもなく日々を過ごし、「秋」を深く味わいたいと思っています。
なんてことを書いたのですが、これまでの台風を凌駕(りょうが)して最強となった台風がこの時期に来ようとは!
『関西は「秋」になりました。
朝夕の涼しさはとても心地良くなってきています。』と結んだ前回のコラムです。
しかし、実はその後は夏に戻ったような暑い日や、急に温度が下がって冷ややかな日もあったりして、寒暖の差がひどくて体調の管理が大変でした。
毎日の服装も必要に迫られて何を着ていくかを考えなくてはならず、出かける前はそれまで以上に時間がかかっていたのですね。
気候変動に振り回される私(我々)です。

 さて、刻々と変化している台風ですが、これを書いている10月10日9時現在の台風概況は中心気圧915hPa、最大風速55m/s、最大瞬間風速が75m/s!で、
これはとても恐ろしい大きな魔物が荒れ狂っている状況です。
暴風域も広く、進路が本土を少々ずれたとしても影響力は大きいと思われます。
昨年9月、多くの被害をもたらした台風21号よりも大きく、強いとされています。
海温の高さや偏西風の強さ・方向で台風の進路が変わるというのですが、
西日本や東日本に住む人たちはひたすら太平洋に向きを変えて過ぎ去ってくれることを願っていると思います。
公的な機関や民間の「お知らせ」でも災害に備えての準備に関する情報が頻繁に流れ続けています。
それほどに異例の対応をとらざるを得ない大型台風なのでしょう。

今は透き通るような青空が光り輝いているのが私の部屋から見えています。
その向こうには箕面の山々の稜線(りょうせん)がクッキリと青空を仕切り、筆で描いたように流れています。
穏やかな住宅地の中に見せる絶景です。これが一転して猛威を振るう状況となる。自然の急な変化は人間の事など考えずに容赦なく襲ってきます。
あまり台風になれていない本土の人間にとっては一つ一つが試練です。
その地の木々や電柱、鉄道、道路、河川、住宅といった人間が対処しなければならないもろもろの造形物の脆(もろ)さは意識しておくべきものです。
さて、今のこの静けさ、明日、明後日とどうなっていくのか?目が離せない「台風情報」となっています。
どうか大きな災害をもたらすことなく太平洋の海上へと過ぎ去って行ってくれることを願うばかりです。 





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