八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.152


【掲載:2020/03/03(火)】

音楽旅歩き 第152回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

ようやく石垣島に立ちました

 漸(ようや)く石垣島に訪れることができました。約4年振りになりますか。
このコラムを書いているのは来島してから二日目。
まだ島を堪能(たんのう)してはいませんね。忙しいスケジュールをこなし、その後東京で2日連続の仕事を終え急ぎ来ました。
来はしましたが、一週間の滞在という短さながらまだまだこれからが楽しみ、というところでしょうか。
全体の感想は大阪に戻ってからでしょうが、空港に降り立った時、意外にも友人の温かいお迎えを受けたこともあってかとってもホッとした気持ちになったというのが第一の感想です。

 飛行機は苦手な私です。これまで幾度も国内や海外へと出かけていますが、いまだに空路に億劫(おっくう)なのはそれが原因。
何度飛行機に乗ってもまだ慣れないでいます。その私が島の空気を吸った瞬間、ホッと息をついたのですから流石(さすが)です。
身体が、意識する前に心地良さを感応したのでしょう。
これからどの様に過ごすか、動きながら、訪ねながら考えてみることにします。

 話は変わりますが、こちらに来る時ほんとうに「新型コロナウイルス」の〈不安〉が全国的に凄い勢いをもって蔓延していました。
まだ謎の多いウイルスだけにその不安は深いです。それを気にしながら石垣にきたのですが、これを書いている時にもさらに状況は変化しています。
このグローバル化した時代、行き来が頻繁にでき、遠くまで、そして早くに移動することが可能となり、伝達されるものは良いことも良くないことも一瞬にして行き渡ります。
東京にいた時はどこに行ってもマスク姿。
往来も電車の中もマスクをしていない人を見つけるのは難しかったです。
大阪を出る時は未だまばらだったのに、東京での光景は異様でした。

 つくづく思いますね。正しい情報を速(すみや)かに発信していればもう少し状況は変わったかもしれないと。
ニュースを見ていても情報が二転三転しました。どの情報が正しいのかは判らないという状態では正に不安を深めるということになります。
何事においても起こった事実は全て、そして正しく伝える。
これが不信感を防ぎ、不安を取り除くことに繋がると思うのですが…。

 そういった本土の急展開の中、私は石垣島にやって来たのですね。
「対岸の火事」ではないでしょうが、島では不安なく、穏やかで、和やかな空気の中で過ごせる幸せを味わいたいと思っています。
それにしても現代は色々なことが起こりますね。しかしこれは大昔も同じだったように思います。人類はそれらの事態を賢く潜(くぐ)って、そして戦って前進してきたのです。
今回も世界の知恵が結集、協力して終息へと向かうと信じたいですね。
人類が平安に過ごせる世界。
それを実現するための確かな要素って何なのか、考え込んでしまいます。
言葉はいっぱい出てきます。
しかしそれらの言葉を超えた要因、まだ私たちが気付いていない何事かがきっとあるように思われます。
石垣でそれを探し求める時間としたいですね。  





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