八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.155


【掲載:2020/04/27(月)】

音楽旅歩き 第155回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

毎日の〈閉じこもり〉の中に楽しさと笑顔を!

 念のため、〈引きこもり〉ではありません。
「新型コロナウィルス」対応として自宅で過ごしている、外出を極端に少なくしている生活となった状態、〈閉じこもり〉です。
大変なことになりましたね。世界中を震撼させているウィルス。
まだ正体が判明していません。どのように対処したら良いのか、正体が判らなければ対処のしようもないということですね。
イメージとして「忍者」のようだとも言われていますが、厄介です。

 本土では、〈狼狽(ろうばい)の色を隠せない〉それは大変な事態に陥っているように思われます。
様々な意見が入り乱れ、どれが真実か見分けがつかず身動きが取れない状態です。後手に回って次々と変貌する政府の対応。
まぁ、これほどに世の中が透けて見えるような事態は初めてでしょうか?
とにかく、今は自宅待機。
自宅で〈閉じこもり〉となって感染を拡げない!この策が一番必要だと思います。
私も一日中在宅です。沢山の仲間たちとも会えません。
いつも練習で会っていた人たちとこんなに長く会えない事態ってかつてないことです。
大阪だけでなく、京都、名古屋、そして一番ひどい状態にある東京の仲間たち。
音楽界でもそれを何とかしたいとの思いからネット上でのコミュニケーションの摸索が盛んになっています。
パソコンやスマートフォンを使って仲間たちと繋がる。
演奏の配信は勿論のこと、遠く離れた人同士、一緒に音楽しましょうとの新しい試みがアップロードされつつあります。
個人と個人や複数の人たちが参加しての「場」づくりですね。
会社では、在宅勤務(遠隔勤務)の「テレワーク」という方法が一気に脚光を浴びています。
通勤を無くし、人との接触も避けるためですね。
一般的にも広がり「LINE」や「Zoom」などが使われるようになっているようです。
私もこれらで仲間たちと顔を見合わせながら会議をしました。
はじめは敷居が高くはないかとの思いもあったのですが、実際に行ってみるとなかなか面白く、かつ実用的なことが判りました。

 自宅に閉じこもる。必要なことだからしているのですが、期間が長くなればそれはチョットしたストレス、いや少しではなく相当の精神的負担、重荷です。
それは我慢してはならない、何か講じて軽減させなければならない問題です。
ネットで繋がってのコミュニケーション、それを通して痛感したのは「喋る」ことの大切さ、そして人の顔の表情を見たときのなんという心地良さ、
その中でも特に楽しさを味わう「ジョーク」や「笑う」声、そして「笑顔」は人間にとって「必要にしてかつ十分」なんだ!との再認識です。
「新型コロナウィルス」の危機体験、その悔しさ、虚しさ、脆弱(ぜいじゃく)さを知ったことは、この地球での新しい世界を切り開くことに繋がるかもしれません。
大きな「人類の前進」、そう捉えることができると強く私は思います。
人と人とが繋がるということの意味、幸福とは一体どうあるべきなのか、それを確認できる絶好の体験としましょう!  





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