八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.156


【掲載:2020/05/10(日)】

音楽旅歩き 第156回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

「3密」を避けようとの新しい試みが話題です

 「新型コロナウイルス」自粛の中、人々は様々に3密「密閉、密集、密接」を避けての集まりを実施し、仲間とのコンタクトを模索しているようです。
最近特に知られるようになったのは「zoom(ズーム)」というアプリケーション・ツール。
インターネットを使って複数の人たちが会議をしたり飲み会をしたりできます。
用途は様々で工夫次第ではもっと広がって行くかもしれません。
初めの頃はセキュリティーが甘いと言われ敬遠する人もいましたが、今では改良されたということで皆が使い始めたものです。
「ズーム」の他にもツールもあるようですが、私は最近これを使い始めたので、使ってみた感想をご紹介したいと思います。
「案ずるより産むが易し」です。始めるに当たって幾つかの環境づくりが必要ですが、それがクリアできれば楽しさが続きます。
恐れず上手くいかなくても気にせず試してみましょう。中には意外と経験者もいるものですから、相談しながら進めていけば良いと思います。
要するにテレビ電話のようですが、一対一でも、多数の人たちとも顔を見ながら話ができることが大きな違いでしょう。
学校の教室のように使うこともできます。
先生が教え、生徒は家に居ながら授業を受ける。それができるということで一気に、人々が試してみようと広まっていったということもあります。

 私は久しく会っていない合唱団メンバーとのミーティングにこれを使いました。50人以上参加しました。
さすがに、合唱をするわけにはいきませんが、それも環境を整えれば不可能なことではありません。
とにかく、様々な利用の仕方が行われていて、とても驚きます。SNSなどで配信されているようですからご覧になれる方はどうぞ見てください。
驚かれると思いますよ。近況をそれぞれに聞くだけでも意義があります。

 「新型コロナウィルス」感染による行動の自粛が新しい世界を示し始めています。
終息する頃にはどのような社会的変化が起こっているか今から楽しみです。
人類は「徒(ただ)では済ませない」という強い精神で前進してきたという〈したたかさ〉をもっていますから、
未来をしっかり信じ、見据えて作り続けていきましょう。
人は人と関わっていかなければなりません。
関わりを持ちすぎると少し重苦しさもあって避けたくなることもあるかもしれませんが、やはり究極的には人は人との関わりで生きている、生かされているということですね。
この未曾有の出来事の中で、それにまた気付かされました。
人間が造り出したデジタル世界によるアプリケーション・ツール「Zoom」で。

 全国、それぞれの都道府県の対応は変わりつつあります。
まだまだ自粛が続きそうなところもあれば、そろそろ緩めようと摸索しはじめるところ。
沖縄も心配です。特に石垣島は私にとって大事な場所、皆さんの力で平静な島を是非とも守り、作ってくださいと、切に、切に望みます。
夏です。島の季節です。
島が豊かに息づきますように!  





戻る戻る ホームホーム 次へ次へ