八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.214


【掲載:2023/07/02(日)】

音楽旅歩き 第214回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【島に人は増えましたか。観光客、移住者、働き手でしょうか?】

 暗澹(あんたん)たる気持ちの中で、唯一「音楽世界」の中は平安を保てています。
毎日見るテレビのニュースがどうも一方的に感じて落ち着きません。
そして対するSNS(特にTwitter)では対極の意見が闘っています。
偏りでなく両者の意見を読むことはまだ精神的には健康だと思いますから、感情的にならず「面白く」見ることにしています。
何が一番、気持ちが騒ぐかと言えば、
「体験に基づかない」「述べている本人が安全な所(現場を知らず)に居て)の発言だからでしょうか。
「コロナ禍」にしても、数々の物騒な事件の時も、国の防衛問題も、経済的不均衡など、どの意見も私の心に響いてこないのは、
意見を述べている「本人の居場所」が見えないからです。「困難な時の覚悟」を感じないからです。
言ってみれば「人に思わせ、煽(あお)り、(他人に)遣らせるばかり」という狡猾(こうかつ)さでしょうか。
しかし、世界は暇(いとま)無く事件が起こり、事態が刻々と激変していってます。昨日までの生活が一変して今日を迎える。
そんな日々が続いています。刻一刻と留まること無く終焉へと向かっているようで不気味です。
大阪でも気象の警報が出ます。豪雨であったり落雷であったり、竜巻まで起こるとの警告です。

 この6月に石垣島に行く予定でした。しかし残念ながら私の気持ちの内と外の要因が胸騒ぎを起こして取り止めました。
沖縄、そして石垣島は最も人気のある観光地の一つです。旅行と言えば上位に上がる島ですからね。
私の友人である作曲家が「当間さんとの関係が深い、石垣に行きたい」との連絡。
できればお薦めのお宿、観光名所、そして行き付けのお店があれば教えて欲しいと頼まれました。
喜んで私の知る限りの情報を送りました。
数日前、「石垣に来てます。教えてもらった場所に行ってきました。
良かったです。今、情報を貰った一つの食事処に居ます」と連絡が入りました。
私、これまでにも人には薦めますね。でも、まだ私はいく気持ちが湧かないのですが・・・・・・。

 次回の予定は秋、もしくは冬ですね。石垣島を取り巻く事態が悪くなっていませんように。
島の風が変わっていませんように。人の心が索漠としていませんように。頭に浮かぶ景色は島のお気に入りの場所ばかりです。
長くて深い想いの島ですから。
訪れる度に隅々まで車で廻る。風、島影と緑、海、山、川、植物たち、動物たち。友達に会うワクワク感です。
長期間滞在して出版本の原稿書きをしたのを鮮明に覚えています。原稿を書き終われば近くの公園まで散歩。帰って来てまた書き物。
そして楽しみの友との毎夜の「宴」です。
大阪や東京での賑わいから逃れ、人間力を充電して復活し、そして都会での闘いに再び帰る。また来島する楽しみを待って。
島には本土から住み着く人たちが多くなりましたか?観光で来る人ではなく、生活を移す人の事です。
統計ではどうなっているのでしょう。調べれば人数が判るのでしょうが、ちょっと見るのが怖いような・・・・・・。





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