八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.223


【掲載:2023/10/22(日)】

音楽旅歩き 第223回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【石垣島は少し「寂しい」?健康な賑わいは何処に?】

 日が沈み、しばらく経ってから石垣空港に降り立ちました。久しぶりの島です。忙しさや事情も重なって今です。
三泊四日の短い滞在ですが、空港で感じた「ただいま!」との染み入る感情と、
さて実情はどうなんだろうかとの思いも入り組みちょっと複雑。

 このコラム、着いてから二日目の19日(木)に書いています。
降り立った空港から街へと向かう車の中での会話。
暗闇の中でライトに照らされる道路脇のランプに「明るいね、綺麗ね」「でも以前に比べれば寂しいと感じる」。
美しくなっているのでしょうが、何処か何かが変化しているのでは?が交差。
とにかく明日からの島を楽しみ、肌で感じることで少しの休暇(心身を休ませ、癒し、エネルギーを頂く)を命の糧にと思う。
都会から見た「リゾート地」へと様変わり中なのでしょう。
ホテルに近くに近づくまでに至るところで「リゾート(Resort)の文字を見る。
そう、看板と言えば、郵便局前の信号機と共に掲げられている道路標識の地名が消えかかっていましたね。
「何だかなぁ」と呟く私。

 まぁ、皆さん周知の地名だからと言えばそれまでですが、やはり市としては貧弱に見える。
他の地でそんなもの、見た記憶がありません。
帳(とばり)が下りた町も以前に(三年程前)比べれば暗いと感じる。
島の夜ってこんなに静かだったかなぁ、と振り返る。
この島が豊かになっているのか、落日の方向を向いているのか、島を愛するものにはとても気になる。
自然に恵まれた島がそれを疎(おろそ)かにすれば、間違いなく自然の怒り(と感じること)を買う。
現在の「温暖化現象」のように。
自然を壊さず、共存するモデルであって欲しいと願うのは私だけではないでしょう。
島に着いて、今日と明日、できるだけ見て回りましょう。
懐かしい人とも会い、忘れられない風景の中で、この南の島の存在価値を再確認しましょう。
国境に近い島。周りの国とまみえる最前線に並ぶ。
しかし、諍(いさか)いを起こす可能性が高い国境に近いが故にその「文化的価値」は一段と高い!と言えます。
八重山文化は人類の歴史にとって、重要な価値を持つ位置にあるとも言えるのです。
都会の良いところは取り入れましょうか。
しかし都会だから生まれた厄介なモノには入って来られないようにとの配慮も必要です。 自然に溢れた島が人間の手によって都会化していく。
何だか不安と怖さが見えてくるようで私の心が騒ぎます。
都会に生きる私の偽らざる思いです。
世界から見ても、身も心も安全で、希なる美しさを保ち、何にも増して魅力的で、栄えた島になって欲しいと心底願います。
次回のコラムは島を回った感想になるかもしれません。
夜に感じた時と、昼に感じるものは異なるかもしれません。
島に着いて一瞬感じた私の不安が払拭されるよう、
目を凝らし、真っ直ぐな心持ちで感じられるよう、本当に短い三泊四日ですが島を巡ります。
楽しく!ですね。





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