八重山日報コラム
石垣島に訪れてから早くも一ヶ月が経ちました。
【掲載:2023/11/05(日)】
音楽旅歩き 第224回
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
【石垣島を豊かな文化価値のある「島」にしていきませんか?】
短期間での滞在(三泊四日)でしたが、以前と違った感覚を持ったことは良かったと思っています。
本土と同じように成っていくことに危惧を持ちます。
島は「島の自然の魅力」を発揮して発展しなければなりません。
本土でも各地方の特色がなくなりつつあり、何処の地方に行っても同じモノで溢れています。
コンビニもそう、チェーン店も然り。
訪れる者には〈同じモノがある〉ということで安心感もあるかも知れないのですが、それでは行く価値は低くなります。
いつもの生活圏から飛び出して、他の地で英気を養い、元気を頂くという「旅行」は人間として心の豊かさ、深さ、
幅を持って成長できる大切で必要な行動です。
通常では味わえないもの、生活圏と異なるものとの接触です。
それは第一には気候・風土による「風景」です。その風景こそ味わうべきものです。
その地方特有の「自然」が感じられないような旅行など、底の浅い体験でしかありません。
石垣島には、「石垣島でしか味わえない魅力的なものが沢山ある」という島であって欲しいです。
サンゴ礁の島、それが石垣島ですね。サンゴ礁の海底が隆起してできた島ですよね。
ではその自然を壊すことなど言語道断です。住んでいる足許を大切にしない生活など自滅への道です。
「海」を活かす。「海」が〈売り(セールスポイント)〉です。
直ぐに思うのは勿論マリンスポーツ(海遊び)ですね。
スキューバダイビング、シュノーケリング、シーカヤックは有名。サップ、サーフィンもあるのでしょうか。
イルカやホエールウォッチングもあるとの話も聴いたことがあります。
〈ただ海を鑑賞する〉だけでも良いですよね。そこには朝日が有り、夕焼けがあります。
ちょっと不謹慎かもしれないですが「台風」を経験することもあっても良いかも、と思う私です。
あのような地上と海の暴風雨は本土では滅多に体験できるものではありません。
台風の恐ろしさを知る上で、そしてその対策を考えるのには〈持って来い〉の風景です。
台風対策が十分の島だからこそ言える事ですが。
その次に味わいたいのは「文化」です。
例えばヨーロッパを例に取れば、どの国にも城があります。そして教会があります。
立地の条件が違ったところに立つ城は必見です。
そこには幾重にも歴史が重なった様式建築があります。また町の真ん中には偉そうな教会が建っています。
一つ一つ様式が異なっていて見飽きることはありません。沢山の観光客が絶えることなく訪れています。
石垣島には特筆すべき「文化(八重山文化)」があります。歌だけではありません。
「祭り」があります。
観光のために行われているものもありますが、大切にひっそりと厳粛に行われるものこそ体験したい欲求もある筈です。
一年を通じての多くの行事です。
それらが見世物的「観光」というだけでなく、
文化に対する敬愛で訪れる人が多くなれば、島は安寧(あんねい)で有り続けると思うのです。
島を盛んに豊かにしていきましょう!