八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.229


【掲載:2024/02/25(日)】

音楽旅歩き 第229回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【「言い訳」の妙は日本語に由来する、「言い訳考」その二です】

 「言い訳考」その二です。「言い訳」の妙は日本語に由来する、と前回で書きました。
脳研究者の池谷裕二(いけがやゆうじ)氏の著書、『脳には妙なクセがある』(新潮文庫)、
そのものズバリ『脳はなにかと言い訳する』(新潮文庫)などには面白いことが書いてあります。
また教科書である、国語(中学1年) 「笑顔という魔法」(教育出版 2012-現在)も良いですね。
興味がおありでしたら一読をお薦めします。
私には「言い訳」がとても興味深く、ずっと気になっていることの一つです。
あるサイトに有りました。ご紹介しましょうか。

 【「言い訳」ばかりする人の心理とは】 
1)自分の非を認めたくない。2)状況を正しく理解していない。3)相手の立場に立って考えられない。
4)人から嫌われたくない。5)トラブルが起こるとパニックになる。
 【「言い訳」ばかりする人の言動の特徴とは】 
1)感情的になりやすい。2)プライドが高い。3)周囲の評価を気にする。
4)話が長い。5)責任を回避したがる。
後【「言い訳」ばかりする人の対処法・付き合い方とは】とサイトには続いているのですが、ここでは割愛します。
上のようなことを一応頭に入れておいて、広い心で、柔和に、包容力を持って「言い訳」には対処です。

 私のイメージでは、言語脳の中に無数の引き出しがあり、とっさにどの段のどのケースからか選び出して言葉を吐くというものです。
そしてそのスピードたるや愕きの偉業です
(この現象、「脊髄反射」的反応、つまり大脳皮質を経ないでの反射だそうで、これは早いはずです)。
前回は例として最近テレビの情報番組などでコメンテーターとか、ゲストの論客と言われる人たちのことを書きました。
今回は普通の生活の中で起こっている「言い訳」の違った対処法を書きましょうか。
前回の最後に次のように書きました。
『日本語はとても曖昧な言語です。事を曖昧にする言語です。極論すれば「白」を「黒」と表現できます。
「嘘」を「真実」と言えます、書けます。表現法が柔軟で奥深く、きめ細やかとも取れますが、なんと無責任さを助長するものか。
解釈する域を多く残し、結論を端的に表せない(実は言えますし書けるのですが。わざと言わない、書かない)。
日本語とは複雑で、難解で、厄介な言語です。
それを私たちは母国語として毎日、日夜を問わず用いて思考する。
それらの欠点を補う思考力を持たなければ、私たちは私たちの言葉で私たちを滅ぼしてしまうかもしれないのです。』と。
少し否定的ですね。しかし逆にこういった特徴を用いて会話の潤滑剤とする、ウイットに富んだ楽しめる会話にもできるわけです。
そのためには、受ける側もその「言い訳」に対処する最速の「言い訳」を用意する必要があります。
巧くいけばその雰囲気は笑いも出る良いコミュニケーションの場になろうかと。
頭の回転の速い人について行くには骨が折れますが、今流行の「ゲーム」と考えれば遊べます。
お互い頑張りましょう。





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