八重山日報コラム
朝、居間のソファーに座ってテレビを何とはなしに観ているとき、九時前でしたね、勢いよくアラートが鳴りました。
【掲載:2024/04/07(日)】
音楽旅歩き 第231回
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
【警戒アラートに驚きテレビに釘付けでした】
ちょと身構えて一報を待ちます。揺れはありませんから地震ではない。では・・・。
そしてテロップが流れます。八重山に津波警報。台湾で大きな地震と。
一瞬、石垣島の風景が脳を巡ります。あそこか、こちらか、台湾が震源地だと西側の海岸。
でも波の動きは複雑だから、何処に襲ってきてもおかしくはない。さて何処に?9時30分頃に到達と出る。
30分間を固唾を呑んでじっと画面を見つめる。
結局、大きな波ではないかもと段々気持ちが落ち着いてきて、「これは大丈夫」とホッとした4月4日の午前でした。
台風に見舞われることで有名であっても地震の注意度は低い。
なんたって日本列島を襲う台風の玄関口にあたる八重山諸島ですから、島民の構えは十分でしょう。
しかし、もし津波だったら、襲ってきたら、想像だにしない光景が拡がるかもしれない。
よく例に出されている事ですが、1771年4月24日午前8時ごろに起こった「明和の大津波」。
私もその爪痕の大岩を見ましたが、信じられない大きさと、海からの距離に体が硬直しました
。
自然の恐ろしさは〈想像を超える〉もので、人智なども吹っ飛ばしてしまうほどのエネルギーなんだと改めて感じ入ったものです。
その時の地震のマグニチュードが7.4だとも言われていますから、今回の台湾地震の大きさとほぼ変わりません。
台湾地震で7.7との数字も見ましたから、「明和の大津波」を上回っているんですよね。
地震のメカニズムも解明されてきていますが、頭でわかったとしても、実感では解りません。
そのエネルギーは、何度も書きますが、計り知れない最恐の破壊エネルギーなんですね。
八重山の島は、ゆるりゆるりと後戻りできない基地の島へと変わりつつ、そしてまた毎夏には台風。
きっと有事が起こった際には自衛隊が身を賭して島を守り、救助して頂けるに違いないのでしょうが、どこかしら胸が騒ぎます。
台湾が心配です。八重山と台湾とは歴史的に繋がりが深い。お世話になってきた歴史のある人たちでもあります。
我が国で起こった災害に、いち早く救いの手を差し伸べてくれている台湾です。
能登半島地震に際してももっとも早い救援の意を表し、実行しています。
日本(政府)も、我々も、何らかの形でいち早く救助、復興への援助をするべきですね。
今後両地にとってどういった対策を、計画を立てて行くか、インフラ整備、建物の耐震強化、避難場の確保と道標。
観光の島なのですから、安全については何よりも優先的に取り組んでいかなければならないことは明白です。
人間が起こす災害、災いは無数にあります。自然環境の悪化も人間が起こしている部分は多いでしょう。
優先順序を間違えてはなりません。間違えれば一島だけでなく国一つ無くなってしまいます。
今回の地震、人類への試し、警鐘と私は捉えました。