八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.232


【掲載:2024/04/21(日)】

音楽旅歩き 第232回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【この世の中「お金」だけではありません。「願い!」を求めての仕事もあります】

    花粉に黄砂、本土では猛威をふるっています。
とんでもなく迷惑で鬱陶(うっとう)しい日々が続いています。
石垣島は大丈夫ですね?
そのような時期には演奏会は避けようとの思いだったのですが、
どうしても「大阪コレギウム・ムジクム」による東京での公演をしたく、
ホールの都合やその他の理由もあって4月29日(月・祝)に行うことになりました。
以前は毎年開催していたのですが、例によって「コロナ禍」のため、数年は開催できず、今年となってしまったわけです。
大阪や京都の演奏会には東京から来場される方もいらっしゃるのですが、やはり地元での公演の方が便利ですし、交通費の負担も軽くてすみます。
いまはその練習に忙しく、その間にも他団の練習や演奏会も入りますから〈花粉や黄砂にめげず〉走り回っています。
何度も書いているのですが、私にとって音楽活動は仕事ではありません。
ここで言う「仕事」とは金銭ではない、ということでしょうか。
もちろん生活はしなければなりませんから「音楽活動」が収入源になれば幸せです。
しかし、収入の事を優先させて「仕事」とするのには若い時から抵抗がありました。
「何を甘いことを」と思われるかもしれないのですが、〈それまで見てきた、あるいは出演してきた音楽の場〉には失望感の方が強く、
「理想の演奏」を目指すためには、「優先するべきものは収入の多い少ないではなく、演奏の条件、
後悔のない納得できる最高の演奏をする」との目的が必要なのです。
私にとっての「仕事」とはイチにもニにも全身全霊を打ち込める演奏をし、提供することです。
30歳を越えたあたりから、収入も安定し、演奏も高い評価を頂くようになりました。
一応、成功した人生ということができるかもしれません。
しかし、ご多分に漏れず「文化的活動」は、特にクラシック音楽関連では厳しい状況にあります。
生活が成り立たず、離れていった人がいます。
少しでも収入の良い仕事を探して第一線にいるにもかかわらず演奏から離れていった人がいます。
職場を得るということは本当に難しいことです。
そういった中で活動を続けている音楽家(演奏家)たちがいるのは、何よりも「楽しく、充実し、生きがいとなっている」からです。
収入が少なくても続けています。
そういった事情を知って頂きたいとの思いも含めて、音楽のお喋りをしているYouTubeチャンネルを立ち上げました。
『當間の「よもやま音楽夜話」』チャンネルで、無料です。 訪れて頂けると嬉しいです。アドレスは、
https://www.youtube.com/@YomoOn-YaWa
です。
現在は合唱について喋っていますが、近々にはそれを取り巻く社会についても私見を語ろうと思っています。
前述の東京定期演奏会、有料となりますが動画配信を見ていただければ嬉しいです。次のアドレスです。
https://pia-live.jp/perf/2404198-001
活動を知って頂く、それが願いです。





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