八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.233


【掲載:2024/05/05(日)】

音楽旅歩き 第233回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【人間悩んで〈なんぼ〉です。皆で悩みましょう】

 人間悩んで〈なんぼ〉です。
引き戻せない状態になりましたね、この国。
いきなりネガティブな書き始めになりましたが、〈もうダメ〉なんじゃないんですよ。
しかし、冷静に観て考えるとどんどん外堀を埋められ、気が付けば元に戻せない状態に。
それはどの分野でも起こっていることは自明になってきましたね。
いま話題の、「企業・団体献金」も廃止についての後戻りになるような議論はできていませんね。
そもそも今の政府はその事で成り立っているのですから、その規制なんて出来るはずがありません。
国防もそうです。歴史的な視点で考えても米国との関係は独立国家としての面目なぞの問題ではありません。
そもそも米国の元で成り立っている国なのですから。
その米国との関係を考え直そうとの議論も盛んになる土壌などないです。企業も米国との関係はとても強い。
ヨーロッパ思考(思惑)ではなく米国思考(思惑)が強い。もっと〈グローバル化に〉など、考えにくいです。
ですから我が国の基地問題(埋め立て、移転、治安)なども真っ当に解決策を摸索するなど起こる筈はありません。
どの分野に置いても〈我が国固有〉という思考が生まれにくいのは、もうため息がでるほどの解りきった事となります。
精々、それこそ他国には関係ない自国の文化維持論しか出てこないのですね。〈グローバル化〉など、どこ吹く風です。

 人口問題は深刻らしいです。
〈少子高齢化〉問題として考えられますが、そもそもこれはもっと根源的な思考変更なくして解決できるものではないと私は思っています。
音楽活動を通して私はいつも社会を見つめているのですが、全ての問題が関係しています。
まぁ切実に憂いを覚えて来ているのですが、将来へのささやかな光を感じることで希望を繋いでいます。
ちょっとした褒め言葉に助けられています。笑顔に出会う度に心が和み、温かくなります。
意見が交わされる毎に、特に息が合った時などどれほど勇気を共に感じられてエネルギーを頂いていることか。
周りをみれば〈悩み事満載〉の人生が溢れています。
仕事、人間関係、金銭的、精神的な悩み、自身の体、そして〈悩みそのもの〉が〈訳が分からない悩み〉。
人間は悩む為に生まれて来たようなものです。悩んで当たり前。悩みのない人間なんて誰一人いません、そうですよね。
もっと悩みましょうか。悩みが解らない悩みについても悩みましょう。
悩みを連れて生きて行きましょうか。シンドイ、辛い、骨が折れますが付き合っていきましょう。
良い方向へ向かうために、避けずに。そうでないと〈良いもの〉は近づいてこないですね。
悩みが多い方が得だとしましょう。〈無い人〉より〈有る人〉の方が絶対幸せです。
そう思うことにしました。思春期の頃にそう思った記憶があります。
以前どこかにも書いたのですが、「暗いときには進んで明かりをつけましょう」です。
悩めば、自身から明かりを、希望を求めることになる筈です。
人間ってそんなに弱くはない、それが結論です!





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