八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.248


【掲載:2025/02/02(日)】

音楽旅歩き 第248回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【今年一年をかけて「クラシック音楽」の魅力を説き、体験します】

 1月29日(水)は「マンスリー・コンサート」でした。
名前のように月毎に行われている例会演奏会で、本拠地として大阪城近くのキリスト教会(日本福音ルーテル大阪教会)の協力のもと行っています。
私たち「一般社団法人 大阪コレギウム・ムジクム」が最も大切にしている演奏会です。
今年はこの団体が創立50周年を迎えます。その年の初め、1月例会。「気が入った」ことは確かです。
これまでにない企画で臨みました。演奏者も驚く程の熱気が演奏後に残ります。
お客様にも大変喜んで頂きました。室内楽(ピアノトリオと弦楽四重奏)でショスタコーヴィチにモーツァルト。
そして合唱はイタリアの「教会音楽の父」と称されたジョバンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナから始まり、ハインリヒ・シュッツの器楽付き声楽曲。
そして最後には日本語による合唱曲というプログラムを組みました。(あえてカタカナを使いました)
クラシックというジャンルに入るだろうプログラムは、今日「ライブ演奏」と呼ばれる集まりのように横文字(多くは英語)が主体なのですが、一般的に見ることのない様々な知らない綴りが続きます。
ドイツ語にラテン語、時には英語。
曲名だけでなく作曲家の名前も作品番号や調性やらが並び、なじみのない字面が目に飛び込んできて、普通は見た時点で「引いてしまう」敷居の高い場ではあります。
しかし訪れて聴いて頂ければ十二分に楽しめる「場」なのです。

 PA(コンサートでの音声増幅装置)ががなる(やかましい)大音響でなく、耳には優しい音響。
しかし柔らかく優しいだけでなく音楽の内容はPAに負けないほどの熱い音が飛び交います。
まぁ、一方では何万人もの人が集まり、もう一方では100人からよく集まっても千人ほどの人の集まり。
音楽の種類が変わり、愛好家も変われば納得の人数ではあるのですが、時折(笑顔で言うのですが)ため息が出るのは何故でしょうね。
一言で言ってしまえば、「現代世界の音楽」か「歴史に感じる音楽」か、ということに成りますでしょうか。
「現代」に人々が集まり、「歴史」には愛好家と呼ばれる個人が集まる、これは人の多さからいえば明らかに「現代」に軍配があがります。
しかし、それでも「歴史」にこだわるのは「流行(はやり)」を今(現在)ではなく、時代を遡って「過去の流行(はやり)」を体験したいという願望でしょうね。

 で、私がこのコラムでもよく書く「人間を知る」ということに基盤を置くことで「歴史に感じる音楽」
つまり今日言われるところの「クラシック音楽」に身を置くわけですね。
見えるものが全く異なる!といっても良いかも知れません。
例えて言えば、近くの風景を見ているか、遙か遠くの目では確かめられない風景を見ているかですし、手の届く美味しいものを取るか、
手を伸ばしても取ることのできない美味しいものとされるものを想像するかでしょうか。
この1年をまた駆け抜けていきそうです。
歴史上の名曲をずらりと並べました。さて人は何人来て頂けるのでしょうね。





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