八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.249


【掲載:2025/02/16(日)】

音楽旅歩き 第249回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【日々危うい事件が起こっています。 宇宙観で未来を見ましょうか】

日々危うい事件が起こっています。また不安なニュースも飛び交っています。
その「身に降りかかる度合い」は各人異なるでしょうが、何らかの形で生活に関わる重要な出来事であることは間違いないでしょう。
問題事に対する解決策や確固たる思いに至るには「歴史」を辿ることだ、と書き続けてきました。
歴史に教わることでしか、世の中を、時代を知ることはできません。
私はそれをコンサートによって辿りたいと、今年の演奏プログラムに反映させる計画を立てました。
先月(1月)のコンサートでその試みは始まっています。
今日(こんにち)の音楽の基礎は西洋音楽にあります。
地球上で響き渡っている音楽は「西洋音楽」では図れないものが多く存在しますが、多くの「音楽」といえば「西洋音楽」だと言って間違いありません。
現在のあらゆるジャンルの音楽がそれを基本、基礎としています。

 「西洋音楽」の源泉は北ヨーロッパにあるようです。
それはネーデルランド(歴史的呼称)と呼ばれる地域でした。
現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルクにあたります。この地域から音楽が発展してきた、というのが定説です。
一時話題になった「ケルト文化」も関係が深いです。
ケルト人とはヨーロッパの先住民で、とても高度な文化を持っている人々でした。
住んでいた地を追われ、移動を続けた結果、様々な国(人、文化)と混ざってしまいましたが、
現在ではアイルランド、スコットランド、ウェールズ、フランスのブルターニュ地方、スペインのガリシア地方などに住む人々です。
その人々の音楽が「ケルト音楽」と呼ばれ、「西洋音楽」の元と深く関わっているとのだと専門家はみています。

 「西洋音楽」はどのように発展し、進化したか。
それはネーデルランド楽派(現在ではフランドル楽派と呼ばれる)と言う作曲様式を生み出したことです。
その様式とは、複数の声部が対等の価値を持ち、互いに模倣し合いながら展開していく様式(ポリフォニーと言います)だったのですね。
ちょっと専門的過ぎますか。勢いで書いていますね。「歴史」を辿ること、でした。
民族、国家、住民移動(移民)、またそれぞれが持つ文化。それらに襲いかかっていただろう災難と悲劇、
それを想像する時、私たちと重ねてみる価値が高い部分があると思うのですね。
それが歴史を辿る事の意味です。

 西洋と東洋、特に我が国の文化と比べる場合には年代を考慮しても不思議に似通っていることに気付きます。
勿論、事象の相違はありますが人間として比較してみると文化の流れはそう変わりません。
気候と、地層の違いに因ること大でしょうね。その事で人間の智慧や生活道具の発明、食物に差が出ます。
しかし、動植物を食べる、雑食であることに違いはないのですね。人間の本質は同じです。
考えてみれば同じ地球という惑星での話ですから、そんなに異なる筈はありません。
さて、それでは未来を見据えるにはどうすれば良いのか。
・・・・・・宇宙観で歴史を見る、これでしょう。





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