>>4〜本との出会い
私見4で、本に沿って書くと書いたのですが、1回だけ脱線します。
※(2012/11/24追記)すみません、結局、本に沿って書けずじまいになってしまいました。お詫び申し上げます。
私は、デジタル教科書を導入するのは、
小学4年から、または、小学5年からが良いと考えています。
以下、そのように考える理由を記します。
今、デジタル教科書を推進する人たちも、小学校1年生での導入はあまり考えておられないようです。
実際、小学1年、2年に合わせた
を考えるだけで、大変難しくなります。
文字を大きくすればディスプレイも大きくなる。すると重量を軽くしづらい。
これだけで、子供に適したデジタル教科書をデザインすると、求められる性能は高くなり、価格はぐっと高くなります。
そのうえで、健康に対する影響も強くなる。
「10歳になると、子供は抽象的に思考する能力を持ち始めるから」
これが、デジタル教科書は10歳から与えればよいと主張する根拠です。
子供の脳に対する本をいくつか読むと、「人間の脳が抽象的な思考を始めるのは、10歳前後からである」といった記述を見かけます*1。
脳波の面から見ても、その頃から大人に近い律動波(α波)がはっきりしてくるそうです。これが、基本的な神経回路が整ってきた証拠と考えられるということです*2。
私は学習塾で小学生も教えています。
その経験から、小学4年、5年になると、抽象的な話が通じるようになる実感を持っています。いくつか具体的な例を挙げますと
すべてこれらは経験論です。明確な統計データはありません。
皆さんはどのような実感をお持ちでしょうか??
このサイトの「私見」で繰り返し述べていますが、
このデジタル教科書についての議論には、脳科学についての知識を深めることが必須だと感じています。
一方で、脳科学には分かっていないことがまだまだ多すぎるのですよね。
第一線の研究者がまだそう言われます。同時に、だからこそやりがいがあるのだ、と。
既に分かっていることは活用して論を固定し、分かっていないことは経験論から推測する。
今後、教育体験・指導体験のみに基づく主張ではなく、
より客観的な視点からの主張が深まり、真に、子供に必要な道具が生まれたら、と願っています。
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