デジタル教科書・教材
【目次】
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私的実験1〜デジタルノートの補足を3点ほど挙げてみます。
その3点目で、少し突っ込んだ話も書いてみます。
1点目「画面が1つしかない」問題 †
結局、私の「ノートまとめ」をするときの学習スタイルは、以下のようになりました。

iPadの周りに、所狭しとノート2冊、教科書、そして「電子辞書(または紙の辞書)」
辞書は、その気になればiPadでもできますが、結局、このスタイルに落ちつきましたね。画面の切り替えがめんどくさい。
どちらかというと、iPadの辞書は「サブ辞書」になった感じです。メインの辞書でしっくりこない時に、参照する。
「ノートアプリを全て使った上で選ぶ」ではなくて「自分がやりたいことをやれるノートアプリ」 †
先日の記事を書いた後、koshixさんからツイッターで、「iPad のNoteshelfはどんな使いごこちでしたか?」と聞かれました。
・・・聞かれたのが、このアプリのことで良かった。
正直私は、全てのノートアプリを使い倒した上での現状ではなく、自分がやりたいことをやれるノートアプリが見つかればそれでOK、としているので、他にもっとよいアプリはあるかもしれません。私が試したアプリは10未満しかありません。
とはいえ、この【自分がやりたいことをやれるノートアプリ】というのは一つの提案をしているかもしれません。たとえば、私がこの記事の中心に据えているデジタル教科書・教材も
- 【先生がやりたいことをやれるデジタル教科書・教材】
- 【生徒が自分の思うとおりに学習できるデジタル教科書・教材】
でなくては意味がないし、どうせ続かない。
2点目、Noteshelfというノートアプリ †
話を戻して、koshixさんから聞かれたNoteshelfについて。
ソフトはこちらです。
http://itunes.apple.com/jp/app/noteshelf/id392188745?mt=8
私はこのソフト、控えに回しています、が、極めて高評価です。
このソフトができることとして
- 画像を貼込できる(画像編集は別ソフトが必要だが)
- この機能を用いて、地図や表を、ウェブとか何かから引っ張ってきて貼り込めば、まとめノートの充実度が上がりますね。
- ノート棚が見易い
- 上でリンクを貼ったNoteshlefのアプリ詳細でも見られるように、ノート棚は使いやすく、デザインも遊び心が随所にあって楽しいです。
- 外部との連携が簡単(dropbox,evernoteへ出せる)
- 画像でも、PDFでも、簡単に出力できます。将来的にはAirprint(iPadから直接プリントアウトする機能、まだ対応するプリンタは少ないが)へも対応してくれるのかな。(3.0になって対応しました, 11-01-14)
- 多機能なのに、書き心地は普通に良い。
- 当然の如く、これが一番重要。ペンの色も豊富だし、書きやすい。多機能と両立させている点はすごいと思います。
では、なぜ使っていないのか?
唯一の欠点は、これです。


もちろん、画面の向きにロックを掛ければ解決はしますが、それを気にするのがめんどくさい。
そこへ、この点を気にしなくて良いPenultimateがあった(正確には、アップデートで解決されたはず)ので、控えに回されました。(メインノートに昇格>>詳しくはこちら, 11-01-14)
と、Noteshelfについていくつか書きましたが、これを踏まえて改めて書きます。
【自分がやりたいことをやれるノートアプリ】
ほんの1点だけの欠点で控えに甘んじているNoteshelf、私以外の人の中には気にもされない欠点かもしれません。
しかし、このような細かなことの積み重ねこそ、ユーザーには本当に必要とされるのかもしれません。
ちなみに・・・上記が解決されれば、ほぼ確実に私は、Noteshelfもメインに戻し、
いくつかの科目については、Noteshelfへ移行すると思います。
3点目、ノートアプリの「戻る」機能 †
お絵かきソフトにも存在している、【元に戻る】機能。
この機能が、「紙でノートを取る」では実現できない感覚を「デジタルにノートを取る」場合に与えてくれます。
次の動画をどうぞ(途中から、音声で説明を始めています)。
書いたことを間違えたから消しゴムで消す。この当り前の感覚にオプションがつきます。
そして、【戻る】機能は【消しゴム】機能よりずっと便利で使いやすいです。
- ずっと前に書いたことの修正は【消しゴム】
- 直前に書いたことの修正は【戻る】
を私は使っています。
さて、この【戻る】機能が追加され、何か私は不思議な感覚を持っています。
たとえば、A、B、Cの3つの事柄をノートに書くとしましょう。
この場合、
- A、B、Cの3つをノートのどこに配置するか考える。
- (例えば)縦に上からA、B、Cの3つの事柄を書き並べると決める。
と考えた後、例えば次のような段階を踏むことになるでしょう。
- まずAを書く。
- 次にBを書く。
- 最後にCを書く。
今、Bを書いている時に「Bをちょっと書き換えよう」と思ったとしましょう。
紙のノートならば、こうなります。
- まずAを書く。
- 次にBを書く。
- 「Bをちょっと書き換えよう」と思う。
- 書いてあるBを消しゴムで消す。
- 新たにBを書く。
- 最後にCを書く。
ところが、デジタルノートで【戻る】機能を使った場合、感覚的には次のようになるのです。
- まずAを書く。
- 考え直されたBを書く。
- 最初に書いてみたBは気に入らなかったから、【戻る】機能で1段階戻った
- 最後にCを書く。
重要なことは、
- 「新たに行為を付け足す」【消す】でなくて
- 「既存の行為を消去する」【戻る】をした
と、私の脳では解釈し、「書く」よりも「戻る」の方が、1段階下の階層における行為に感じるのです。
では、どちらがよいか?
- 「消す」行為を頭に刻み込むことが重要な場合は、「消す」方が良い。
- しかし、「戻る」機能の方が、頭の中もすっきりする。「不必要に楽をしているのでは?」という後ろ髪に引かれながら。
デジタル化による思考方法への影響について †
以上の考察は、完全に感覚的なものです。しかも私個人の。科学的な検証は何もありません。
ある人にとっては、「紙のノート」で消す行為も1段階下の思考階層かもしれません、など。
しかし、こういう「思考への影響がありうるのでは」という提案は意義があるかと感じました。
子供たちを教えていて、以前より増して「ノートをきれいにする、間違ったことは残さない」ことに拘りを持つ子供が増えているのでは、という印象をもっています。
今の子供たちの中には、携帯電話・パソコンなどを用い、デジタルに書くことに慣れている子が多いです。そしてデジタルに書いている時は、「消す」機能だけでなくて「戻る」機能も使う可能性があります。デジタルに消す、戻ることは、紙で消す場合に比べずっと簡単です。
推測の域をまったく出ない考察ですが、こういう「デジタルな機器への慣れ」と「ノートをきれいにすることにこだわる」ことに、何らかの影響はあるかもしれないな、と感じています。
ちなみに、「ノートをきれいにする」ことが良いか?悪いか?
- 「ノートをきれいにする」ことが必要で、極めて重要なときもあり
- 全く必要がないどころかきたないままにして、試行錯誤を残した方が良い時
どちらもありますよね。
と言及をしておいて、あとは割愛させていただきます。