暖かいたくさんの拍手をいただいて、京都公演【邦人合唱曲シリーズ】を無事に終えることができました。あいにくの天気の中お越しくださった皆様、有り難うございました!
来月には【現代音楽シリーズVol.18】がございます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!!
当日券ございます!たくさんの方のご来場をお待ちしています!
日時: | 2008年9月28日(日) 17:00開演 |
会場: | 京都府立府民ホール アルティ |
ピアノ: | 木下亜子、沖田明子 |
箏: | 菊武厚詞 |
尺八: | 川崎敦久 |
曲目: |
林 光/「春の曲 巻の一」 混声合唱とピアノ四手連弾 (あるいは2台のピアノ)のために 中島はる/女声合唱組曲 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」 千原英喜/男声合唱のための「東海道中膝栗毛」 西村 朗/無伴奏女声合唱のための「寂光哀歌」 木下牧子/混声合唱組曲「大伴家持の三つの歌」 |
料金誤表記のお詫び
『京都公演~邦人合唱曲シリーズ』のチラシ等におきまして、チケット料金の表記に一部誤りがありました。
高校生以下…前売り・当日料金ともに1000円となります。
ここにお詫びして訂正させていただきます。
団員一同、みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
*** 木下牧子/混声合唱組曲「大伴家持の三つの歌」
1996年、富山県で行われた第11回国民文化祭のための委嘱作品。
越中赴任中にその名作のほとんどを詠んだといわれる万葉詩人、大伴家持の歌からインスピレーションを得て書かれた、3章からなる『混声合唱組曲』となっているが…実際これはもう、『ピアノ協奏曲』と言っても過言ではない!
富山の雄大な自然をおおらかに詠んだ長歌。実際は漢字の羅列として今に残されているわけだが、漢字を視覚的にとらえるだけで何かしらの色彩や四季感、人生観まで脳裏に浮かんで来てしまうのが「日本人」の底流にある一つの文化ではないだろうか。その心の根源を表出するのは混声合唱の芳醇なハーモニーと、そしてもう一方の主役であるピアノパート。
第1章では「テヌート気味の重厚なタッチ」、第2章では「指の腹を使った柔らかいビロードのタッチ」そして最終楽章では「一音一音粒立ちのはっきりした堅めのタッチ」というように、ピアニスト出身の作曲家ならではの繊細な指示が書かれている事からも、ピアニズムに対する熱い思い入れが伝わってくる。
何しろスケールの大きな、色彩的な組曲である。
まず和歌を味わい、イメージを膨らませておいてあとは音に身を委ねる…
そんな聴き方、楽しみ方もよいのではないだろうか。
*** 林光/春の曲 巻の一
混声合唱とピアノ四手連弾(あるいは2台のピアノ)のために
「春の曲」について林光氏は、「1950年代のなかば、ベンジャミン・ブリテンの「春の交響曲」(Spring Symphony)にそそのかされて志した、古今の春をうたった詩の連鎖による祝祭的作品の作曲という夢が、創立50周年を記念する曲をという、宮崎県合唱連盟の委嘱によって実現した」と述べています。
今回お届けする「巻の一」では、4編の詩で、春を待ち望む冬の夜にはじまり、凍った大地が次第に解けて迎える早春の喜び、あちこちで芽吹く春の息吹き、そして永い時の流れの中で連綿と受け継がれ輝くいのちを描きます。
1 雪やこんこ 詩 矢川澄子
あたりは一面の雪景色。しかし春はもうすぐそこまで来ている。春のおとずれに思いを馳せながら、胸ふくらませ、しばし忍ぶ吹雪の夜。
2 早春歓喜 詩 堀口大學
凍てついた大地、冷たい氷雨、北風の厳しい冬が次第にゆるみ、春がやってきた。大地にぬくもりが帰り、木の芽、草の芽が芽吹く。すべてのものが生命に満ち溢れる春を、歓喜の歌で迎える。
3 はる 詩 さなだあきこ
じゅずだま。やなぎの綿毛。おおいぬのふぐり。あちこちに春の証拠が芽吹いている。そして私も春。
詩の作者のさなだあきこは、この詩を書いたとき小学校1年生だったとか。少ない言葉で描かれた世界にみずみずしい感性が光ります。
4 娘たち 詩 茨木のり子
「娘たち」→「春」と読み替えての一章。
イヤリング、ネックレス、ブレスレット、アンクレット、お化粧や様々なファッション。遠い昔からくりかえされてきた「よそおい」は「娘たち」の生きたしるしであり、母や祖母の名残の品とともに、連綿といのちをひきついで、「娘たち」は新しく歩みだす。
***** *****
3週にわたってご紹介してきました、いずれも個性的な、魅力あふれる5つの曲。これだけの曲を一度にお聴きいただける演奏会は、なかなかありません!
ぜひ、明後日28日は、京都府民ホールアルティへお越し下さい。
心よりお待ちしています!
[『コレ・マガ』 第355号(9月26日)より転載]
当間のわかりやすく楽しい講義を聴きながら音楽の根源に迫る、奥深い講座です。音楽経験のあまりない方、またベテランの方、どなたでもご参加いただけます!多数のご参加をお待ちしています。
★日 時:9月22日(月)午後7時半~午後9時頃まで
★会 場:日本福音ルーテル大阪教会
(大阪市営地下鉄「谷町四丁目」駅1B出口 徒歩1分)
★受講料:800円
★テキストは「合唱の育成・合唱の響き」(カルドシュ・パール著)使用。(全音楽譜出版社・3360円)
ご希望の方は各書店・楽譜店などで各自ご用意下さい(購入必須ではありません)。当日はレジュメが配布されます。
★筆記用具や五線譜ノート、録音機器などをご用意されると便利です。
前回までの資料をご希望の方は、受付にてお申し出下さい。
お申し込みは office@collegium.or.jpまで。
(当日参加も可能です。)
マンスリー・コンサート【音楽市場】
午後7時開演
会 場:日本福音ルーテル大阪教会
W. A. モーツァルト/
フルート四重奏曲 イ長調 K. 298
フルート…伏田依子
ヴァイオリン…木村直子
ヴィオラ…白木原有子
チェロ…木村政雄
W. A. モーツァルト/
12の二重奏曲 K. 487 (496a)
〈ケーゲルデュエット〉
バセットホルン…鈴木祐子
クラリネット…高橋由有子
A. ヴィヴァルディ/
ヴァイオリン協奏曲集《四季》
(「和声と創意の試み」Op.8より 第1~4曲)
第4番「冬」
V. ミシュキニス/Cantate Domino
J. ラター/Cantate Domino
H. シュッツ/
Cantate Domino canticum novum SWV 81
C. モンテヴェルディ/
Cantate Domino canticum novum
「日本・こころのうた」 より
京都公演へのお誘い Vol. 2
~千原英喜/東海道中膝栗毛
合宿も終わり、いよいよ「邦人合唱曲シリーズ」に向けた練習も佳境に入ってきました。今週の「京都公演へのお誘い」では、大きな演奏会では久しぶりの男声合唱ステージとなる千原氏の作品をご紹介します。
*千原英喜/男声合唱のための「東海道中膝栗毛」*
「東海道中膝栗毛」は言わずと知れた江戸時代の大ヒット文学作品ですが、『男声合唱のための「東海道中膝栗毛」』は江戸を旅立ってから伊勢に至るまでの道中を6曲に渡って旅していく、一大音楽ドラマと言えるでしょう。
曲は夜明け前、七つの鐘が鳴る中での旅立ちの場面から始まります。道中、街道沿いの行く先々では、馬子唄や餅つき唄、盆踊り唄に駕篭(かご)かき唄といった各地の名歌が聞こえ、かと思えばその地にゆかりの和歌の一節が飛び出したりとさまざまなメロディー・テキストが交錯し、雄大な景色と人々の生活が眼前に広がるかのようです。
数々の作曲技法が男声合唱のさまざまな魅力を引き出し、時には力強く荘厳な「華」ある世界、またある時は夜更けの峠の心細さなど、色とりどりの場面を織りなしていくのは聴き逃せません。
また広重の辞世の句と、伊勢の波の音の中にすべてが消えていく様とからなる独特の終曲は、「旅の終わり」と「人生の終わり」が重なり合わさり、宇宙と一体化して溶けていくようで、まさに千原作品のキーワードの一つである「エクスタシーの世界」が聴き手を包み、誘います。
* * *
練習を重ねる毎にこの作品の「味」がどんどん出てきて、全体が一つに繋がって行く楽しさを感じています。
五曲目で歌い上げられる「徳川家康 東照公遺訓」に登場する、「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」という一節が、この組曲全体を言い表しているのではないかと思う今日この頃です。
秋の「古典シリーズ」にて、今も昔も変わらない「旅」の魅力を存分にお楽しみください!
[『コレ・マガ』 第354号(9月19日)より転載]
メールマガジン『コレ・マガ』に連載中の『京都公演のお誘い』より、今回の京都公演<邦人合唱曲シリーズ>の聴きどころをご紹介します!
京都公演へのお誘い Vol. 1
~西村 朗/寂光哀歌 中島はる/手放れ惜しみ
9月ももう中旬にさしかかりました。合唱団では、今週末の土日に合宿が行われ、「邦人合唱曲シリーズ」に向けた本格的な音楽づくりが始まります。
昨年は「宮沢賢治の世界」と題し、9月、10月と続けてお楽しみいただきましたが、今年は日本の古典を中心とした作品を集めました。その中から、今週は、女声合唱による2曲をご紹介します。
*西村 朗/無伴奏女声合唱のための「寂光哀歌」*
この作品は、西村氏が京都を題材に作曲した連作の一つで、「平家物語」灌頂巻から3つの和歌を題材にしています。
ほととぎす 花たちばなの香をとめて なくはむかしの ひとや恋しき
池水に みぎわのさくら散りしきて なみの花こそ さかりなりけれ
いざさらば なみだくらべん時鳥 われもうき世に ねをのみぞ鳴く
「平家物語」灌頂巻は、壮大な歴史のドラマである平家物語が、平家の滅亡によって幕を閉じたあとの、エピローグのような巻です。
生き残り出家した建礼門院が、山深い寂光院で亡き一門の人々を偲び、弔いながらひっそりとわびしく暮らしている所へ、後白河法皇が訪ね、女院は自分の波乱に満ちた人生を振り返りながら、戦のありさま、人々の最期の様子を語ります。
曲は、上記の3つの和歌のみをテキストにし、それぞれの雅で美しい調べとともに、「諸行無常」の哀しさが胸をつきます。
*中島はる/女声合唱組曲 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」*
OCMでは初めての演奏となります、中島はる氏の作品です。
「防人」とは、奈良時代、外国からの襲撃に備えて兵を常駐させるため、農民たちを徴兵したものです。その防人たちや、家族などの歌が、萬葉集には多く収められています。別れのつらさ、望郷の思い、理不尽さへの怒りなど、名もない人々の想いは、現代も全く変わりません。
そんな「防人の歌」を、ピアノ、そして箏と尺八と共に歌います。
テキストは、峯 陽「現在訳(いまやく)・萬葉集」より。原文と、現代文とを交互に示す手法のとおり、曲も、箏と尺八との共演による萬葉の世界と、ピアノとの共演による現代の世界が交互に現れます。
言葉や表現は違っても、変わらない、人の素直な心を描きます。
* * *
遠い昔の事でありながら、私達の奥深くに流れるものは、今も変わらないのかも知れません。そんな、心の源流をたずねる、この秋の「古典シリーズ」です。
ぜひ、私達とともにご体験下さい!
[『コレ・マガ』 第353号(9月12日)より転載]
販売開始より好評いただいておりました、
OCM発声法テキストとDVDのセット販売がテキスト完売となりましたので、限定販売を終了させて頂きます。
全国よりたくさんのお申込を頂き、ありがとうございました。
今後、OCM発声法テキストにつきましては、第3版を現在製作中で9月末には完成の予定となっておりますので、
テキストのみ、または、DVDとのセット申込の方はご予約ということでお申込を受付させて頂きます。
なお、「OCM歌唱発声体操」DVDの販売も受け付けております。
いずれも、お申込はOCM事務所 office@collegium.or.jp までご連絡ください。
新版のテキスト価格、DVDとテキストのセット販売価格は、以下になります。
・DVDのみ 1800円
・DVDとテキストのセット 2200円
・テキストのみ 600円
(いずれも税込、送料別料金となります)
詳細につきましては、改めてお知らせさせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
たくさんの方のご来場をお待ちしています!
19:00開演(一部のチラシで開演時間に誤記がありました。訂正しお詫び申し上げます。)
会 場:日本福音ルーテル大阪教会
L. van ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18-5
ヴァイオリン…中前晴美、西村綾香
ヴィオラ…法橋泰子 チェロ…柳瀬史佳
L. van ベートーヴェン(C.キム編曲)/弦楽五重奏曲 ヘ長調 Op.17
(原曲:ホルン ソナタ)
ヴァイオリン…森田玲子、南出康子
ヴィオラ…片山 晶子 チェロ…大木 愛一 コントラバス…林 武寛
G. F. ヘンデル/シャコンヌ ト長調 HWV 435
ヴァイオリン…中前晴美 ヴィオラ…白木原有子
G. ホルスト(木村政雄編曲)/ジュピターコラージュ
ヴァイオリン…木村直子 チェロ…木村政雄
千原英喜/ 混声合唱のための「きりしたん 天地始之事」
No.59(08/09/12) 「「母音」の発音 〔補遺〕」
「イ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、背(身体の後側)を中心に縦型です。もちろん明るい響きづくりとして頭部前面を意識しなければなりませんが、中心となる、特に響く部分として練習するとよいと思います。
「エ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、後頭部から肩胛骨にかけての部分です。響きの領域が上半身の後ろ側なのは「イ」と同じなのですが、「エ」の方が縦型が短くなります。
(もちろん明るい響きづくりとして頭部前面も意識しなければなりません)
No.58(08/09/12)「「臍下丹田(せいかたんでん)呼吸」〔補遺〕」
【冊子「OCM歌唱発声法」(’08年改訂版)の発刊にあたり付け足された項目です。補遺としてお読み下さい。】
強く大きく、そして遠くへ飛ばそうと胸を高く上げ、呼気圧を強くして発声している様子に不自然さを覚えたのが発声を考えるきっかけでした。
顔がこわばり、上半身も力みがち。これは胸部よる〔呼気圧上げ〕が原因で起こる声帯収縮(声帯周りの筋肉の圧迫)を緩和するために、無理矢理喉頭を下げようとする運動によって引き起こされるものです。
旧来の「腹式呼吸」と言われていたものは実は横隔膜を中心とするもの。
「りきみ声」「そばなり声」がその特徴だと言われていました。(上記がその例)
最近では「腹式呼吸」は「横隔膜」ではなく、「丹田」を中心としたものだと認識され、その呼吸法が主流になってきています。
第122回(08/08/31)「北海道公演《感想集》追加版」
〔('08/08/31)の原稿に2008年9月1日、感想を追加しました〕
北海道公演の間にも感想がインターネット上で掲載されていたようです。
団員から聞くのですが、やはり内容は気になります。
どんな風に伝わったのか、また響いたのか。
いつも思うことですが、演奏側と聴衆側との思いはずれることが多いです。
それだけ聴衆側の思い、ニーズが多岐にわたるということなのだと思います。
私はあまり批評や意見に深追いすることを最近は自重するようになっているのですが、初めての北海道(CD購入の多さ、その反響の大きさでは目を張るものがありました)での感想は気になりました。